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整体院を開業する際、広告費用はどの程度投資すべきか?

新たに整体院を立ち上げた際、多くのオーナーが広告宣伝の重要性を見落としがちです。一部の人々は、単にホームページを立ち上げるだけで顧客が自然と訪れるという誤解を持っています。しかし、この考えは大きな間違いです。特別な知名度を持つ一握りの治療家を除き、ほとんどの整体院や整骨院は、積極的な宣伝戦略なしには生き残ることが難しいのが現実です。開業前の計画段階から、販促費用を経営シミュレーションに含めることの重要性を、このブログは強調しています。実際、定期的な広告予算を設定している整体院や整骨院は、経営が安定し、成長している傾向にあります。

整骨院の競争は激しいものがあります。

最寄り駅周辺にどれほどの整骨院や接骨院が存在するかを調査することをお勧めします。歯科医院がコンビニエンスストアよりも多いという話を聞いたことがあるかもしれませんが、実際には整骨院(接骨院)の方がコンビニエンスストアを大きく上回る数になっています。

2023年12月末のデータによると、全国には約14万4千軒の整骨院・接骨院が存在し、これに対してコンビニエンスストアの数は約5万9千軒です。これは整骨院・接骨院がコンビニエンスストアの約2.4倍も存在することを意味します。

都道府県別で見ると、整骨院・接骨院の数が最も多いのは東京都(約2万2千軒)、次いで大阪府(約1万2千軒)、愛知県(約1万1千軒)となっています。特に東京都内の数は顕著です。高齢化社会における一定のニーズの存在と、年々増加する傾向は確かです。しかし、競争が激しい市場では、需要が均等に分配されることはありません。人気のある整骨院が市場を独占するような傾向が見られ、このような状況では、確実に「勝ち組」と「負け組」が出てきます。人気のない整骨院は自然淘汰されていく傾向にあると言えるでしょう。

成功する整骨院の特徴と差別化戦略

win lose
整骨院の世界では、多くが保険診療を主軸に据えていますが、この部分では他院との差別化が難しいのが現実です。差をつける要素としては、最新の治療器具の導入や、スタッフの人柄といった点が挙げられます。整骨院業界は、ある意味で接客業でもあるため、日々の接客態度、特に笑顔やフレンドリーな対応は不可欠です。これらのソフトスキルは、治療技術だけでなく、接客方針を含めた総合的な経営戦略の一部として極めて重要です。

しかし、これらの要素は競合他院も意識しているため、決定的な差別化にはなりにくいです。真に差別化を図ることができるのは、宣伝戦略とそのための予算配分にあります。経営に精通した整骨院オーナーは、宣伝に積極的に投資し、新規顧客の獲得に努めています。つまり、成功する整骨院は、最新の治療技術や優れた接客スキルを持ちながらも、それを市場に効果的にアピールする方法を知っているというわけです。

整骨院の広告費用はどれくらいが適切か

広告費用は地域や市場環境によって相場が異なりますが、一般的には目標売上の5~10%を宣伝費用に充てることが推奨されます。例えば、目標売上が月額100万円の場合、宣伝費用としては毎月5万円から10万円が妥当とされます。

ただし、この記述には「毎月」とありますが、実際には広告によっては一度に60万円など大きな出費が必要な場合もあります。そのような場合は、半年に一度のペースで広告を利用するなど、柔軟な対応が可能です。

これらはあくまで目安であり、各整骨院の状況に応じて適切な広告費用の計画を立てることが重要です。

宣伝費用の適切な配分とその重要性

整骨院の宣伝において、最近はネット集客が主流になりつつあります。このため、ホームページの構築をはじめ、SEO対策やGoogleやYahooのリスティング広告への投資が増えています。デジタル広告の利点は、投資した金額に対する成果が明確に測定できることです。どれだけの費用をかけてどれほどの問い合わせや反響を得られたかを把握できます。整骨院の宣伝では、ブランド認知の向上も重要な要素です。

整骨院の集客戦略においては、大手チェーンでない限り、ターゲットとなるエリアは非常に限定されます。患者が整骨院を選ぶ際、最も重要なのは通いやすさです。これは、患者の生活圏内、つまり職場や自宅から半径2~3キロ程度が主な商圏となります。ホームページのSEO対策やリスティング広告、チラシなどのダイレクトマーケティングは、反響が明確に測定しやすい手法です。

しかし、デジタル広告以外のブランド認知、例えば駅の看板広告やバスの音声広告などは、反応が直接測定しにくいと考えがちです。また、駅の看板広告などの紙媒体は高額であり、費用対効果が見えにくい場合があります。しかし、経営的に赤字でない限り、これらの広告に定期的に投資し、ブランド認知を高めることは重要です。毎日同じ看板を見ることで、自然と医院の名前が記憶され、怪我や骨折などの際に、その名前でネット検索される可能性が高まります。地域住民の記憶に名前を残すことが、長期的な集客に繋がります。

ネットではリーチできない層に対しても有効な手段となり得るため、宣伝費用の使い方には常にトライ&エラーを繰り返し、最適な戦略を模索することが重要です。

まとめ

整体院や整骨院の開業において、成功するためには広告宣伝の重要性を理解し、適切な投資を行うことが不可欠です。競争が激しい市場で差別化を図るためには、最新の治療技術や優れた接客スキルだけでなく、それを市場に効果的にアピールする方法を知ることが求められます。

具体的には、目標売上の5~10%を宣伝費用に充て、ネット集客を主軸にした宣伝戦略を立てることが推奨されます。また、地域住民の記憶に名前を残すために、デジタル広告以外のブランド認知にも投資することが重要です。

これらの戦略はあくまで目安であり、各整骨院の状況に応じて適切な広告費用の計画を立てることが求められます。成功するためには、常にトライ&エラーを繰り返し、最適な戦略を模索することが重要です。これらのポイントを押さえ、整体院や整骨院の経営を成功に導きましょう。

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